こんにちは、かおる(脳脊髄液減少症の看護師ライター)です。
「脳脊髄液減少症と自律神経はどうして関係があるのだろう…」
「髄液って何なのかな…」
と思ったことはありませんか?
実は髄液について知っておくことは、脳脊髄液減少症以外の方にとっても大切です。
今回は髄液と自律神経の関係についてカンタンにご説明します。
◉目次
(脳脊)髄液とは?
●髄液は血液のなかま
一言でいうと脳と脊髄(神経の束)を覆っている液体です。
脊髄は自律神経を含む神経の束です。脳-首-背骨のラインを通っているとお考え下さい。
髄液は血液がろ過されたもの。1日に500ml産生されています。
●髄液の2つの役割
①脳のクッション
お豆腐のパックをご想像できますか?
柔らかいお豆腐が割れないのは、周りの液体に浮かんで守られているからです。
実は髄液も同じ。クッションとなって大切な脳を守っているのです。
②脳と神経に栄養を
先ほども触れましたが、髄液は血液のなかま。
役割も血液と似ています。
血液は全身を巡って体中に栄養を届け、老廃物を排泄(尿や便として)します。
髄液も「脳や神経に栄養を届ける」という重要な役割があるのです。
大切なのは量と循環
人の健康において大切なのは、髄液の量と循環です。
【髄液は一定の量が必要】
循環している体液(主に血液)が少ないことを「脱水」と言います。
ヒトは脱水が進むとすぐに死んでしまいます。
水は人間の生命に関わる大切な存在です。
髄液も同じ。
髄液が少ないと脳や神経に栄養が十分に行き渡りません。
自律神経の症状をはじめさまざまな不調を引き起こします。
【髄液が巡ることの重要性】
これも血液やリンパと同じです。
髄液は流れることで初めて本来の役割を果たします。
流れが滞ると栄養をうまく行き渡らせることができません。
加えて老廃物の排出もうまくいかない。
脳に要らないものが溜まっていく一方です。
たとえ髄液の量が適度に保たれていても、髄液の循環が悪いと不調を招くことになってしまいます。
自律神経が不安定だと髄液産生が上手くいかない
脳脊髄液減少症の第一人者篠永正道医師によると、
「ストレスや自律神経の乱れは髄液産生を抑える」と言われています。
自律神経が乱れて不安定な人は、髄液をうまく作ることができません。
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「腸脳相関」という言葉をご存じでしょうか?
腸(消化管)は第2の脳と呼ばれています・
・脳が自律神経を介して腸に影響を及ぼす
・腸が自律神経を介して脳に影響を及ぼす
・自律神経が乱れると腸や脳に不調が出る
という仕組みのことです。
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自律神経が乱れる
→胃腸の調子が悪くなる
→水の吸収力が落ちる
→髄液が十分に作れない
という現象が起きます。
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自律神経が乱れていると、とても髄液が作りにくい環境ができ上がってしまいます。
たとえどんなに治療をしても…効果が得られにくいのです。
(これが、脳脊髄液減少症の私が自律神経について記事を書いている理由です!)
まとめ
・髄液とは、脳と脊髄(神経の束)を守る液体
・髄液は血液がろ過されたもの。役割も血液と似ている。
・大切なのは髄液の「量」と「循環」
・自律神経失調症だと髄液がうまく作れない
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いかがでしたか?
正直な話、看護師の資格を持った私でも髄液の役割までは詳しく知りませんでした。
自分が脳脊髄液減少症になるまでは…。
それくらい、まだ珍しい領域なのだなと感じています。
髄液の役割を知った時、
水を飲む大切さや運動療法の意味などが理解しやすくなる方が増えればなぁ…
と思いながら書いています。
今日も最後まで読んでいただきありがとうございました。